信じるものは救われる?意外と知らないプラシーボ効果について説明します。

心理学で発見されたもの
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今回は、皆さんご存知の「プラシーボ効果」をご紹介します。

 

このプラシーボ効果。有名な割に、実は知られていない事が多くあるんです。私も勉強した時には驚きました。そんなちょっと視点の違う説明を楽しんでください。

 

プラシーボ効果とは

この言葉は、多くの人が耳にしたことがあるのではないでしょうか。日本語では偽薬(ぎやく、にせぐすり)と言われる暗示の一種のことです。

患者に「本物の薬の処方」をしたように見せかけ、ビタミン剤や砂糖玉を飲ませることにより、症状の改善が起こるか試した実験はあまりにも有名な話です。あなたも一度は聞いたことはあるでしょう。この実験では、偽薬を飲ませた人の30%が薬ではなく砂糖玉にもかかわらず病状が改善に向かったという結果を得ています。

治る薬を飲んでいるという「思考」が体に影響を及ぼすという、心の作用が体を大きな影響を及ぼすことを表していますね。

 

見つけた人は、どんな人?

名称は聞いていても誰が見つけたのか?というのは、知らない人が多いですよね。という事で、ご紹介しましょう!

この現象を研究し発表したのは「ヘンリー・K・ビーチャー」という米国ハーバード大学の麻酔科のお医者さんです。

この方、生まれはアメリカ合衆国のカンザス州ペックという所。1904年2月4日生まれで、1976年7月25日に亡くなっています。

このビーチャー医師が発表する前から「プラセボ(偽薬)」は使われていました。ですが、用途としては「効果はないけど患者が喜ぶから出した『偽薬』」という扱いで医師の中で効果が出るとは誰も思っていなかったのです。

そのような中、ビーチャー医師はこの「プラセボ」は実際に患者の症状を良くしている。と発見し、研究・調査を開始。結果、広範囲で効果を発揮していたことを証明し発表ました。(その文献は「米国医師会雑誌159巻、pp.1602-1606,1955年」です)

ただ、この研究は1960年代の米国患者の人権運動に大きな波紋を生みます。

第二次世界大戦の終結以来、人権運動が起こり人権意識が高まっていたアメリカ。その中で「説明なしで医師任せの医療をするのは問題だ」という思想が生まれました。その結果、「患者に治療内容を理解できるように説明する」に必要性が強く叫ばれていました。

そんな中、発表されたこの論文。実験対象の中には一般入院患者も含まれていたので、さぁ大変。論文は社会的に衝撃を与え、「患者の人権運動」に拍車をかけたのは言うまでもありません。

現代のように患者に説明することができあがった背景にはプラシーボ効果が関係しているなんて意外な話ですよね。

 

プラシーボって何?語源は?

さて、ここまでで「プラセボ(偽薬)」という言葉も出てきました。そもそもプラシーボってどういう意味なのでしょうか?

実は語源はラテン語と言われています。ラテン語で「私は喜ばせる」の意味が「プラセボ」なのです。患者を喜ばせる薬という意味で付けられたものですね。そして、このプラセボを日本では「プラシーボ」と呼ぶようになったんです。

なので外国では「プラセボ」と呼びます。「プラシーボ」というと「ホチキス」並みに通じないのでご注意を(笑)

 

信憑性は、どれくらい?

上記の説明にもありましたが、偽薬を飲んで症状の改善をしたのは30%ほど。なので、全員が全員、効果が出る訳ではありません。

実は、ビーチャー医師が発表した論文を証明しようと他の研究者が実験を行った記録もあります。その結果、プラシーボ効果は30%も出ないという報告がなされました。

ですが、さらに反対の意見もあります。ビーシャー医師が発表した30%は低すぎで、実はもっと効果がでる!なんて発表もあるのです。

もう、訳がわかりませんよね。

ただ言えることは、少なからず自己暗示で効果が出る人は「いる」ということです。ただ、効果は強力さは個人差がありすぎるので一概に論議できないという形です。

 

意外と知らないプラシーボ効果

ここまで、プラシーボ効果について説明してきましたが、プラシーボ効果って実は飲み薬だけではないって知ってました?そんな、変わり種のプラシーボ効果をご紹介しましょう。

 

手術ごっこで治っちゃう!?ダミー手術について

プラシーボ効果は手術でも発揮されるという報告があります。

ちょっと笑ってしまう話なのですが、手術ごっこをするのです。

内容は簡単、患者を手術室まで連れて行き本物の手術代の上に乗せます。この時に患者さんは「本当に」手術されると信じています。

患者さんは医師の動きは見えずに声だけ聞こえる状態にします。そのような状況で医師は患者に声をかけながら手術の進行を報告しながら「ウソ」の手術を進行させます。もちろん体などを障りますので何も知らない患者さんは「本当」に手術をされていると信じ切っています。

さて、この偽手術が終了した後、患者さんは良くなったのでしょうか?

 

結論はお察しの通り。よくなりました!驚きですよね。人の暗示とは、こんなに強いものかと驚かせられます。

 

アルコール入ってないのに酔っちゃうのぉ

これは、私達でもできる「プラシーボ効果」です。

やりかたは簡単。

ノンアルコールのカクテルやビールを「本物」のお酒として提供するのです。友人を呼んで、これを実行すると中にはアルコールが入っていないのにもかかわらず酔いだす人が出てくるという結末に。

この実験は女性の方がひっかかりやすいと言われます。仲の良い人で集まって実験してみてはいかがですか?

 

住んでいる国によって効き目が変わる

こんな面白い「プラシーボ効果」。どんな人でも一定の確立で通用するわけではありません。もちろん暗示にかかりやすい人が強い効果を出すのですが、ここには国民性もかかわってくるという報告があります。

その国の文化要素が人の思考に強く影響していることを物語っていますね。何を信じているかも国によって違いますから。

 

人間以外にも聞くのだよ

この「プラシーボ効果」のとっても面白い所は「人間以外」にも効果がでるという報告があること。

私の調べたところによれば犬とハムスターで、効果を確認できたという話があります。人間も動物だって感じさせられますね

 

睡眠薬の処方に法的に使える!?

これは私もびっくりした事実ですが現代のお医者さんでも偽薬を出すことがあるんですって!

それは継続的に睡眠薬の処方をせがむ患者に適応されることなのですが、患者の安全を守るために行われることなのです。

睡眠薬は処方や服用方法を間違うと死に繋がる薬です。(薬の強さは物によってちがいますので、ご注意を)眠れないからと大量に服用しようとする人が後を絶ちません。そのため、処方する事が危険だと医者が判断した場合、ビタミン剤を睡眠薬と偽って処方する事が医師法によって認められているんです。患者の安全を確保するための正当な医療行為ですよね。

 

プラセボ実験で見つかった「反偽薬効果(ノセボ効果)」

プラセボ効果は有名ですが、実はその反対の効果もあるのをご存じですか?

薬が効くものだ!と強く信じている人にはプラセボ効果が表れます。しかし、「薬は体に悪い物だ!」と強く信じている人には副作用が現れるケースがあるのです。

さらには、本当の薬を処方しているにも関わらず、「この薬は私には効果がない」と信じている患者には効用が現れないケースもノセボ効果と呼ばれます。本当の薬を飲んでるのに効果がでないなんて酷いですね、、、

 

まとめ

薬ではないのに効果が表れるというのは本当に驚きの事実です。人の暗示とは然も強力な物なのだと痛感させられますね。

プラシーボ効果とは医療の分野で良く使われますが、暗示という括りで見れば様々な場所で体験する事だと思います。少しでも良い方向に暗示が出来るように日ごろから良いイメージを信じた方がいいですよね。

ノセボ効果みたいに自分に悪い影響が及ばないように、小さい前向きから始めることをオススメします!!

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