やる気がでない人必見!作業興奮をうまく使う方法

心理学で発見されたもの
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日々の退屈な作業や苦痛をともなう作業。本当はやらなきゃいけないのに、やる気がでなくてやれない。そんな悩みを持っている人はたくさんいます。

そんなあなたに贈る作業興奮という心理作用をご紹介しましょう。

やる気を出すにはコツがある

「なんで、あの人はやる気に満ち溢れているんだろう?」「自分は頑張ろうと思ってもどうしてもやる気がでないのに。私はダメな人間だ。」なんて考えている、あなた。ご安心ください。

それは間違いです。実は「やる気」というのは引き出す方法があります。そのコツを知っているか知らないかの違いだけで、あなたがダメ人間だということはありません。

やり始めるとやる気がでてくるという作業興奮

実はやる気というのは後から湧き出てくるという性質があります。やり始めていくと少しずつやる気が出るのです。

なんかダラダラとイヤイヤやっていた作業でも、途中から無性にやるきがでてしまったことはありませんか?それは心理学では作業興奮と呼びます。

作業興奮とは文字のごとく作業をすることによって興奮作用がおこるというもの。人は興奮すると活発的になります。活発的になるとやる気も湧き出てきて、「よし!やるぞ!」と思えてくるから不思議なものです。

作業興奮を見つけた人物

この作業興奮というのはだれが見つけたのか知っていますでしょうか?実は、1800年の後半に活躍した精神科医が見つけて提唱したものなんです。

エミール・クレペリンという精神科医

その人の名はずばり「エミール・クレペリン」という精神科医で大学教授という偉大な人物です。

エミール・クレペリン(Emil Kraepelin, 1856年2月15日 – 1926年10月7日)はドイツの医学者、精神科医。ドルパート大学(現・エストニア国立タルトゥ大学)、ハイデルベルク大学、ミュンヘン大学の教授。

精神障害を遺伝学や大脳生物学といった原因からは分類はできないとして予後から分類し、1899年の彼による教科書6版は、精神病を統合失調症と躁うつ病(双極性障害)に分類し、現代の『精神障害の診断と統計マニュアル』(DSM)まで続く影響を与えることになった[1]

ウィキペディア エミールクレペリンのページより引用

彼は精神科医として現代の精神病治療にも多大な影響をあたえた人物です。

心理学をかじったことがある人はクレペリンという試験を聞いたことがあると思います。このクレペリンの試験に使われた研究をしていたのもこの人です。

作業曲線という研究も熱心にやっていた

彼は精神科医として精神病の分析をするとともに作業能力と時間の関係を調べる研究もしていました。

その研究内容は作業曲線と呼ばれるものです。作業曲線とは単純作業を連続しておこなったときに、時間経過とともに処理能力の増減を記録したグラフのことをさします。

よく作業にムラがでるなんて言葉を聞くと思いますが、これを数値化し、かつ、見える化した画期的な研究です。

この研究により、作業能力の時間経過は個人差が大きく、さらに、その個人差がその人の精神的・心理的特徴と関係することを見つけだしました。

この研究はのちに日本の心理学者である内田 勇三郎によって手を加えられ内田クレペリン精神検査という検査方法に活用されています。

これが皆さんのきいたことのあるクレペリン検査です。この検査は数字の羅列をあたえられ、隣り合った数字を足していく処理を一定時間行っていく試験です。

やったことがある人はわかると思いますが、結構嫌な試験です。

作業興奮をうまく引き出す方法

ではここで、作業興奮を効果的に引き出す方法をご紹介しましょう。

簡単なことから徐々に始める

まず、一番大事なこと!!それは簡単なことから始めることです!

これをしないで作業興奮は発揮できません。最初から頭フル回転するような課題に取り組むと作業興奮を引き出す前に「いやになって」やめてしまいます。

作業を続けることで、やる気が引き出されますから難しいことに取り組んで作業ができない状況をつづければ、やる気はどんどんなくなってしまいます。

ですから、まずは取り組みやすいことからやりましょう。

短い時間からやると決める

次に重要なのが時間設定です。時間は短く設定しましょう。可能な限り短時間で終わらせられる簡単な作業を積み重ねることで作業興奮は徐々に発揮されます。

頑張り屋な人ほど「2時間完璧に集中しよう!!」なんて考えて、やる気を奪っています。そうならないように注意しましょうね。

嫌な作業に取り組むときは好む作業を先にやる

嫌な作業に最初から取り組もうとすると作業が進まないことがありますよね。最悪、作業をスタートできない状況になります。

これでは作業興奮なんて発揮できません。

そんなときは、自分が取り組みやすいこと、もしくは、自分の好む作業を先にやり始めましょう。そうすることで作業をスタートでき、作業興奮を発揮してやる気がでている状態をつくれるのです。

その時に注意したいのは、好む作業から嫌な作業に移る時のインターバル(隙間時間、もしくは、休憩)です。作業がひと段落したら休憩をいれたいところですが、休憩はいれてはいけません。

作業興奮が発揮されている内に、嫌な作業に取り掛かり作業をつづけることで興奮状態を維持しましょう。そうすることで嫌な作業もすすめることが可能でしょう。

作業興奮を引き出せない理由

ここまで説明した作業興奮の引き出し方法を活用すれば、やる気を引き出すことができるでしょう。

なんかうまくいかないんだよね。って人は以下の項目をチェックしてみましょう。

睡眠不足による疲労

睡眠は重要です。睡眠不足の状態では作業興奮はなかなか作用しません。だって、頑張れるエネルギーがないんですもんね。

カラダは休息しなさいというサインを一生懸命送っています。そんな状況であれば作業興奮の作用は発揮されにくいでしょう。

睡眠不足が続いているときは、思い切って寝てしまうことも重要です。睡眠をとって頭がクリアになれば、やらなくてもいいことを発見することもできるかもしれません。

「寝る時間なんてないんだ!」って場合は、コーヒーを飲んで机の上に頭を置いて寝てみましょう。コーヒーに含まれるカフェインの影響で30分ほどで目が覚めると思います。短時間でも休息をとると脳は活性化しやすいので作業をスタートしやすくなっているかもしれません。

必要な栄養素が不足している

睡眠不足の次に影響するのが必須栄養素欠乏症。簡単に言えば変食によって必要な栄養素が摂取できていない現象です。

ジャンクフード、お菓子、インスタント食品などを主食として食べていませんか?このような食べ物は糖質、質の悪い脂質は多く含まれていますが、タンパク質、アミノ酸、ビタミン、ミネラルなどはあまり含まれていません。

たんぱく質とミネラル・ビタミンがたりなくなるとカラダは損傷したところを修復できないため常に疲れが溜まった状態になってしまいます。

そんな状態では人は頑張れませんからね。栄養不足でも作業興奮がうまく作用しない結果となるのです。そのため、バランスの取れた食事を心がけましょう。そうするだけでやる気がでてくる場合もありますよ。

頑張りすぎによる過労

まじめな人ほど陥りやすい「頑張りすぎ」という落とし穴。これは、しっかり覚えておきましょう。

このような人の場合、まず最初にやることは「やる気を出す」ではなく、「やらなくていいことを洗い出す」ことです。なんでもかんでも自分でやろうとしてませんか?その作業は本当にやらなければいけないことですか?

すこし視点を変えれば、やらなくていいことなんて山ほどあります。一旦立ち止まり、その作業が本当に必要かを考えてみましょう。

的確な刺激となっていないズボラ体質

過労タイプと真逆の立ち位置にいるのがこのタイプ。どうしてもやる気がでない人が陥りがちな刺激不足です。

このタイプは「なんか始めればいいんでしょ。」って感じで他力本願な上に半ば自暴自棄気味な人たちです。

やらされてる感丸出しのため、刺激を適切な位置まで高めていません。簡単な作業をするのは大事ですが、刺激にもならない作業をしていては人は作業興奮を活用できません。

酷い話では布団から出て机に向かうだけで作業興奮が起きると思っている人もいるくらいです。それでは刺激がたりませんよ。

作業興奮を活用したいなら単純な計算を繰り返したり、本を朗読したり、ウォーキングをしたりするくらいの刺激が必要です。最低限これくらいをするよう努めましょう。

作業興奮に対する大きな誤解

ここまで理解したら「作業興奮ってすごい!」「万能!」と思ったかもしれませんね。でも、それは大きな誤解です。それについて説明していきましょう。

やる気は持続し続けない

人のやる気は有限です。もって数十分。何時間も集中力がつづく人はほとんどいません。同じ作業をしていればやる気がどんどん下がることになります。

これは作業曲線でも証明されていることで、同じ作業を繰り返し行っていくことによる作業効率の低下はしょうがない結果なのです。

切り替えとやり直しが秘訣

やる気の低下を防ぐには違う作業をおりまぜることが重要です。人の脳は刺激をうけることで活性化します。しかし、刺激に順応し、慣れてしまい、何も感じなくなっていってしまうのです。

脳に刺激を与え続けるには、刺激の種類を変えることが大事。なので、作業をする際は同じような難易度のものを複数用意しておきましょう。勉強でしたら数学と国語を交互にやったり、仕事でしたらルーティンワークと創作作業を交互にやるなどするのがいいですね。

作業興奮で嫌いなことを好きなことに変化することはできない

一番大きな誤解は「好きなことをやれば作業興奮がおこり、嫌なことも全て気持ちよく実行できる」ということ。

これはハッキリいって間違いです。好きなことをやり作業興奮を引き出して、カラダの活動状態を引き上げることで嫌なことに取り組む姿勢を整えることはできます。

でもそれは「嫌なこともやる気満々で処理できる」なんて夢のような状況ではありません。「嫌なことでもまぁ取り組めるか。」というくらいが関の山だと覚えておきましょう。

過度な期待を持つと、どんどんやる気はなくなってしまいますからね。注意してください。

それを知らずに過剰な期待をもって実施すればやる気は出るどころか、なくなりますので注意してください。

まとめ:作業興奮をアレンジし自分だけの方法を引き出そう

どうでしたか?作業興奮という作用を理解し、やる気をコントロールするコツを知っていただけましたでしょうか。

作業興奮は、物事に取り組んだり、小さいやる気を引き出すためのコツです。もちろん、万能ではありませんが、正しく使うことであなたの日常を少しだけ過ごしやすくする可能性があります。

何度もトライして自分が最もやる気を出せる方法を見出していきましょう。それを知っているだけであなたの人生は少しだけ楽になるでしょう。

みなさん一緒に頑張りましょうね!!

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